ATESTEOトルク計 使用方法と選択方法

一体型と分離型

一体型は一つに纏まってコンパクトであり、扱いやすい長所があります。分離型は二軸が接近している場合や軸周りのスペースが狭い場合に便利です(ケーブル長:1.5m)。
分離型トルク計
分離型トルク計(eS)

 

一体型トルク計
一体型トルク計(iS)

トルク計の選び方

・定格トルクにより機種が決まります。
・「トルク計機種/定格トルク対応表」で、ご希望の定格トルクの列から選びます。
・列に複数の機種がある場合、大きさや特徴で選びます。
ー例えば、500Nmでは5行に〇印がありますが、TiSZ50とSiSZ50は貫通穴用です。
通常用途では小型ならF0iS/eS-SV(薄型)かFLFM1iS/eS、中型ならF1iS/eSです。
お迷いの場合はご遠慮なく、お問い合わせください。

電源について

トルク計は24VDC電圧で動作し電源オン時に約1Aの電流が流れますので、十分余裕ある定電圧電源をお使いください。構内やベンチのAC電源への接続に際してはノイズ発生源となる機器(ダイナモやインバータ等)と別の電源から供給し、ノイズの回り込みを防ぐことが重要です。

出力の選び方

ATESTEOトルク計は周波数、アナログ電圧/電流、CANの三つの出力を同時に使用できます。

  1. 周波数出力
    ロータ(回転部)からのトルク計測値が周波数パルスであるため、高精度かつ遅れなく出力できます。また、RS422のディジタル差動出力によりノイズに強く長距離(20m以上)の伝送も可能です。受け側のデータロガーやPLCなどに接続するには通常 高速インタフェース(F/V変換器)が必要となります。サンプルレートは最速で200μS(100μS)です。最近の電動化ノイズが多い環境でお使いになる場合は周波数出力かCANがお勧めです。
    周波数出力の信号波形の図解。

  2. アナログ出力
    定格トルクのフルスケール周波数を±10Vの電圧(デフォルト)に変換して出力します。周波数出力やCANに比べ電磁ノイズの影響を受けやすく、配線に注意が必要で20mを超える長距離伝送には向きではありません。一方、データロガーやPLCのモジュールに直結できる使い易さがあります。アナログ値のサンプルレートは1mSです。
    アナログ出力の電圧波形の例。
  3. CAN入出力
    自動車用のCANインタフェースを用いたデータ伝送です。ディジタルのパケットを送受信し、エラー時の再送機能があり、正確なデータ伝送が行えます。最近ではデータロガーやPLCにCANモジュールがサポートされるようになってきました。最高の転送レートはトルク計は最高1000フレーム/秒ですが、受け側の機器の能力で抑えられる場合があります。また、CANを通してトルクのゼロリセットやオーバトルク監視もでき双方向通信です。
    CANインタフェースのディジタル信号パケットの構成。

設定と保守

トルク計の設定やトラブルシュートはPC上で動作するTCUConfigソフトで行います。このソフトにはトルクのゼロ点リセットやオーバトルクの監視機能もあります。トルク計はRS232入出力を使用しますので、PC接続には市販のRS232/USBアダプタを使用します。RS232コネクタはトルク計に付属していて、アダプタとの配線はTxDとRxDをテレコ(入れ違い)にする必要があります。

トルク計設定・保守ツール(TCUConfig)使用方法の図解。

トルク計の監視と制御

  1. TCUConfigを使用する方法
    トルクのゼロ点リセットなどの制御やオーバトルクの監視を上述のようにTCUConfigで行うことができ、大画面ディスプレイで監視を行う方法です。利点は接続が容易なことです。ただし、この方法ではトルク値や回転速度がオーバした場合に画面上に赤で表示され(上図参照)、パトライトなどで注意を喚起することは出来ません。
  2. 制御入力とアラーム出力を使用する方法
    トルクのゼロ点リセットなどの制御やオーバトルクの監視などをハードウェアで行う方法です。トルク計入力はアナログ電圧印可、出力はトランジスタのオープンコレクタで行ないます。操作卓のスイッチによる制御、パトライトによる警告、異常時の停止で使用します。

トルク計のアラーム信号でパトライト等による警告を発する方法の図解。

トルク計の接続ケーブル

  1. 12芯と16芯ケーブル
    トルク計にはケーブル自作用に12ピンと16ピンのコネクタが付属しています。また、オプションとして12芯と16芯ケーブル(10mまたは20m)をご購入できます。この場合はコネクタが付属されません。
  2. 12ピンと16ピンコネクタの機能
    ・12ピンコネクタは電源、周波数出力、コントロール信号(ハードによるゼロリセットなど)に使用。
    ・16ピンコネクタはRS232、CAN、トルク/速度/赤外線のアラームおよびリセットに使用。
  3. 使用例
    ・周波数出力でデータ収集、PCとRS232接続しTCUConfigで監視と制御を行う場合
    (12ピン:電源と周波数出力、16ピン:RS232を使用。)

    ・アナログ出力でデータ収集、PCとRS232接続しTCUConfigで診断、ハードで制御と監視を行う場合
    (12ピン:電源とコントロール信号、16ピン:RS232、各種アラーム、アラームリセットを使用)。

    ・CANでデータ収集、PCとRS232接続しTCUConfigで制御と監視を行う場合
    (12ピン:電源、16ピン:RS232信号とCAN信号を使用。)
  4. ケーブル配線
    ・コネクタは半田付け配線用になっています。

速度計測オプションのエンコーダの選び方

  1. FLFM1iS/eS、F0iS/eS-SV
    ・速度計測には光学式エンコーダが必要です。14,000rpmまでの計測は360pprまたは400pprとなります。
    ・20,000rpmまで速度計測するには光学式エンコーダ240pprが必要です。
    ・粉塵が多い環境でスリット目詰まりの保守を避けるには、30ppr誘導式歯車エンコーダが適しています。
  2. F1iS/F1eS
    ・標準で60ppr誘導式歯車エンコーダを装備し、20,000rpmまでの速度計測が可能です。
    ・解像度を高めるには磁気式エンコーダ1,000pprを使用し、9,000rpmまでの速度計測が可能です。
    ・さらに高速な14,000rpmまでの速度計測には360ppr光学式速度エンコーダが必要です。
  3. F2iS/F2eS
    ・標準で120ppr誘導式歯車エンコーダを装備し、12,500rpmまでの速度計測が可能です。
    ・解像度を高めるには磁気式エンコーダ1,448pprを使用し、6,500rpmまでの速度計測が可能です。

(注)誘導式歯車エンコーダには回転方向の検出機能がありません。他の機種に関してはご相談ください。

デュアルレンジについて

・大小の定格トルクを精度よく計測するためのオプションであり、最大1:5の定格トルクを選べます。
・レンジ切り替えは、コネクタピンへの電圧印可、PC上のTCUConfigメニュー、CANコマンドで行います。
(注)詳しくは、トルク計総合カタログ14ページの具体的な説明をご参照ください。

ロータ材質のSUSとチタンについて

  1. SUS製ロータ
    ・チタンに比べステンレスの材料費が低くコストパフォーマンスが良いため一般に使用されています。
    ・限界トルクが定格トルクの500%とチタン製に比べ堅牢です。
  2. チタン製ロータ
    ・SUS製に比べ高価ですが、軽量(FLFM11iS/eS-100Nmロータの重量はSUS製の60%)で低慣性です。
    ・限界トルクは定格トルクの350%となります。
    ・回転軸の軽量化や急激なトルク変動の計測に有効です。

疑問点が御座いましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。